発達障害のお子さんの感覚2(Àさんの感覚その1)

こどもプラスでは運動遊びのほかにおこさんによっては個別の運動療育も力を入れています。発達障害のお子さんの感覚の過敏や鈍麻、またはその両方を併せ持つお子さんに対してお子さんにあった課題やメニューを活動の中に組み込んでいます。

Aさんは触覚に鈍麻なお子さんです。人との距離感が掴みにくく、『少し狭い、人と当たってしまうかもしれない』と他の人が気をつけて通る場所でさえ自分のボディーイメージが掴みにくいため堂々と通り、人の足を踏んでしまったり肩がぶつかってしまったりすることがあります。

雨の日に長靴の中まで水を入れている状態でも全く気にする様子なく、脱いだ靴下の跡がすのこにつくのを職員が気付いてようやく長靴に水があることが分かったほどです。

触覚の鈍麻は固有感覚(体の動きに関する情報を伝えてくれる大切な感覚)の鈍麻も併発しやすいようです。Aさんは鉛筆を力一杯ノートに当てて字を書きます。鉛筆の芯が折れてしまうほどの筆圧です。しかしそれは力の加減が分からないからで、決して乱暴に書いているわけではありません。

 

Aさんは一見、なんでもできるように見えます。それはご家庭で熱心に日頃から生活習慣に関わる身の回りのことを練習したからこそのことですが、Aさんの感覚で鉛筆やお箸を持つことはとても難しいことだと思います。

 

ご自身で自閉症をお持ちの作家の東田直樹さんは著書の中で自分の体を【壊れたロボットを操縦するようだ】と記述していました。

私たちが体を動かし、同時に2つ、またはそれ以上に同時にいくつものことをすることはそれほど難しくないかもしれませんが、発達障害の方の中にはこうした同時に動かしたり、いくつものことを処理したり、考えたりすることはとても困難なのも納得できます。

 

お子さんによって感覚の差はありますが、お子さんの不自由さを知った上で、必要な支援について、次回は紹介したいと思います。