
もうすぐで平成から元号が変わります。今度の元号はどんな名前になるでしょうか。
このような「変化」にはかなりのエネルギーが必要だと思います。例えば,新たな趣味を始めようとしたとき,それには時間や労力などのエネルギーが必要になってきます。元号が変わるにあたっても,いろんな人がエネルギーを費やしているのではないでしょうか。
こどもプラスの子どもたちにも変化が見られます。今回はこどもプラスに通うAくんの2つの変化について書いていきたいと思います。
Aくんはこどもプラスに来ると,いつも決まった行動をしています。まず,連絡帳を出し,手洗い・うがいをすると,お菓子を持ち,台所でおにぎりを作ります。お菓子とおにぎりを持つと,二階に上がり,麦茶をいれておやつタイムです。そして,一緒についていった職員に麦茶をくれる優しいところもいつものことです。
1つ目の変化は,麦茶やコップを二階に運ぶお手伝いをするようになったことです。始めは,職員がAくんに「持っていってほしい」とお願いをして,お手伝いをしてくれました。そのとき,職員は「ありがとう!」「えらいね!」と目一杯言いました。その感謝のことばが嬉しかったのでしょうか。次から,そのお手伝いが習慣になっていきました。そして先日,お手伝いをお願いしようかと思っていたところ,お願いをする前に「コップを上に持っていこう!」と自分から行動していました。お願いをされてお手伝いをするのと自分から進んでお手伝いをするのとには,大きな違いがあります。このAくんの喜ばしい変化にとても感心しました。
もともと、麦茶やコップ運びは、他のお子さんへの自立支援として役割、責任を持ってやり遂げてもらうために考えたものでした。そのお子さんのいない曜日に同じ学校に通うA君にお手伝いをおねがいしてみたわけです。
2つ目は,いつもとは違った遊びをしようと言ってきたことです。いつもはおやつタイムを終えたあと,職員をまねた運動遊びごっこを行うことがAくんの日課でした。ですが,先日「一緒にボール遊びをしよう!」と誘ってくれました。「運動遊び(ごっこ)はしなくていいの?」と尋ねると,「大丈夫!」と言い,一緒にボール遊びをしました。この変化には驚きましたが,自分から遊びを変えようとしたことに成長を感じました。
やはり,「変化」にはかなりのエネルギーが必要だと思います。Aくんの2つの変化にもエネルギーが必要だったように感じます。それを立派に変化してみせてくれました。この変化と成長を喜び,これからも温かく見守っていければと思っています。